おっさんの下らない話し

50代を超えたおっさんの雑観記事です。しょうもないことをしょうもなく語ってます。

伝説のロック・アルバム・シリーズ3

今回取り上げるアルバムは、またまたボストン出身「Cars」から1stアルバムの「The Cars」(邦題は「錯乱のドライブ」)。うーん、前回に引き続きボストン出身のグループの安直なアルバム名。ボストンという土地柄なのか、それとも時代のせいなのかは分かりませんが、今では考えられないようなあまりにストレートすぎる題名に正直、参りました。ちなみに、邦題はやっぱりジャケットに合わせて渋いですねー。

 

80年代にバカ売れした「Heart Beet City」等、アメリカでは超有名バンドなんですが、日本ではさほど有名ではないそうです。私などMTVを見て、「おー、あのバンドがこんな有名になっちゃって。」って思ったものですが、そうではなかったようですね。なんせ、「スリラー」を押さえて第1回MTVアワードを受賞した位なんですが。

 

しかし、このデビュー・アルバム、その片鱗も見せてません。単なる変態バンドの域を脱せないでしょうね。しかし、恐ろしいことに、この曲「Just What I Needed(邦題:燃える欲望)」のデモテープを気に入った地元ラジオ局がかけまくってたら、レコード会社と契約してしまった、という恐ろしい逸話があります。

https://youtu.be/gvy2yqUHLLg

 

ちなみにこの動画、ライブだと思ったら口パクですね。と言ってこのグループ、ライブはめっちゃ上手です。多分、オフィシャルビデオなので、ライブを使ったんでしょう。

 

基本的にこのバンドはリック・オケイセックというリズム・ギター兼ボーカル(背の高いサングラスをかけてる)の人がリーダーで、ボーカル兼ベース(今回歌ってる人)のベンジャミン・オールとが中心となってできたバンドです。作詞・作曲はほぼリック君が担当してますが、曲の雰囲気で多分ベンジャミン君をボーカルにしてるんでしょうね。

 

で、シングル・カットする曲はベンジャミン君ボーカル担当が多いので、多分変態担当がリック君なのではないかと推察します。先ほどの曲もベンジャミン君がボーカル担当でしたし、次のアルバム「Candi-O」のファースト・シングル「Let's Go」のボーカルもベンジャミン君でした。

 

実は私、この「Let's Go」にハマってしまった口です。しかし、このアルバムには入っていないので紹介できません、悪しからず。何故か、ベンジャミン・オールの歌声にハマってしまったんですね。なんか好きなんですよ、この人の声というか歌い方というか。大ヒット曲「Drive」もこの人がボーカルなんで、私的にはカーズ=ベンジャミンですね。

 

リック君にとってもそうだったらしく、ベンジャミン・オールは2,000年にすい臓がんで亡くなってしまったのですが、その後の再結成を拒んだりしています。ちなみに、オリジナル・カーズ自身は88年にいきなり解散しています。「Heart Beet City」の大ヒットに続く作品があまりにひどかったことにショックを受けたためとも言われています。

 

話しは戻りますが、何故このアルバムが伝説かというと、先ほども言いましたようにデモテープがきっかけで作ったアルバムで、しかもそこそこ売れたと言うこと。そして、重要なことは、カーズの原点はここにあると言うことです。つまり、変態的ミュージックとでも言うのでしょうか、なんか変わってるんですよね。

 

と言うことで、2曲目はこれ、アルバムの1曲目を飾る「Good Times Roll」。ボーカルはリック君です。

https://youtu.be/D6G-qb1RRCo

 

ね、変でしょ、なんか変わってますよね。妙に乗り切れないところ、ありません?この曲はライブなんで分かると思いますが、上手いのは上手いんですよ、このバンド。音は外さないし、コーラスもいいですよね。でも、この曲、コピーしようと思いますかねー。その辺が変態たるゆえんです。

 

最後はリック君が作り、ベンジャミン君が歌う「Bye Bye Love」。

https://youtu.be/msAcTMKMSKA

 

うーん、これを聞くと、リードのソロは典型的なロックなんですが、多分メロディ自身の展開はめちゃくちゃでしょうね。そこからそういってそういくんですか、的な展開。しかもそれがめちゃくちゃ不自然。展開がめちゃくちゃでもすんなり入ってくる曲に対し、これは無理!メロディラインがおかしすぎる。

 

それでも曲として成立してるのがカーズというバンドの魅力です。多分、先ほど述べた大ヒットアルバム「Heart Beet City」はそれが見事にポップとして成立したアルバムだったんだと思います。その意味で、このファースト・アルバムは伝説と呼ぶに相合しいものだと思います。